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皆さんこんにちは!
竜林業、更新担当の中西です。
さて今回
~人材不足~
ということで、林業における人手不足の“実態”と“構造的な要因”、そして今後求められる解決策を、現場のリアルをもとに深く掘り下げていきます。
近年、国産材の需要拡大や脱炭素社会への貢献が注目されている林業ですが、それと同時に深刻な課題も浮き彫りになっています。
それが、人材不足。
「作業員が高齢化して新規の担い手がいない…」
「若い人が定着しない…」
「求人を出しても応募がゼロ…」
こうした声は、北海道から九州まで、日本全国の森林組合や林業事業体から聞こえてきます。
農林水産省の調査(令和5年版「森林・林業白書」)によると
日本の林業就業者は約4.3万人(ピーク時の1/10以下)
65歳以上が3割以上を占め、平均年齢は50代後半
35歳未満の若手は全体の1割以下
若手就業者の新規参入はあるものの、定着率が低く5年後には半数以下になるというデータも存在します。
全国の人工林のうち、約6割が伐採・手入れ適齢期(樹齢40年以上)
特にスギ・ヒノキの成熟林が多く、今伐らなければ資源ロスや倒木リスクも
「人手がないから森林が放置される」現象が、災害・生態系の劣化・地域衰退にもつながっています。
重機やチェーンソーを使った高所・傾斜地での作業
季節や天候に左右される自然相手の仕事
ヒル・ハチ・熊などの野生動物や災害リスクも
この「3Kイメージ」が今でも若者や女性の参入を妨げている現実があります。
月給制ではなく日給制や出来高制の現場も多く、収入が不安定
年収ベースでは200〜300万円台が中心という地域も
冬季や雨天で作業が止まると収入にも影響
「暮らしが成り立ちにくい」=「続けにくい」という悪循環。
「見て覚える」OJTが中心で、体系だった研修やスキル認定が少ない
森林施業プランナーやチェーンソー資格などはあるが、キャリアとしての明確なステップが描けない
地域によって研修・実習の充実度に差
他産業に比べ、「育てるしくみ」が遅れているのが現状です。
山間部での作業=都会出身者には孤独感や文化ギャップが大きい
地元との関係づくりや言葉の壁、閉鎖的な地域も少なくない
移住型新規就業者が「定着しづらい」要因にも
️ 「林業はしたいけど、地域になじめるか不安」という声も多く聞かれます。
タイプ | 必要な役割 |
---|---|
現場オペレーター | 伐採・搬出・高性能林業機械の操作 |
森林マネージャー | 森林経営計画・施業設計・資源管理 |
ICT担当 | ドローン・GIS・林業クラウドの活用 |
地域コーディネーター | 地域と林業をつなぐコミュニケーション役 |
「ただ木を切る」だけでなく、林業も“総合知識産業”へと進化しつつあります。
女性林業士による森林教育・観光林業の企画
移住者が森林施業プランナーとして起業する事例
建設業・IT業からの転職者が林業デジタル化を牽引
「林業経験ゼロでも、地域や技術を活かして活躍できる」未来が現実に広がっています。
国が実施する「緑の雇用」制度により、研修+給与補助を実施
各都道府県が林業アカデミーや研修施設を設置し、3年で即戦力化を目指す
研修中に必要な資格(チェーンソー・刈払機・伐倒技術など)を習得可能
林業の「入り口」は、徐々に整備されつつあります。
ドローンでの森林資源調査、伐採計画の可視化
GPS搭載の重機による作業精度向上
森林クラウドでの施業管理・情報共有
重労働の軽減と効率化により、「働きやすい林業」へ転換できる可能性があります。
林業科のある高校、農林大学校、職業訓練校との連携を強化
高校生のインターンシップ、山林実習、森林ボランティアなどの受け入れ体制を整備
小中学校からの森林教育で、地元愛・職業理解を深める
「林業=選ばれる仕事」として認識されるためには、若年層への種まきが不可欠です。
林業就業者向けの住居支援・家族支援・移住サポートの整備
地域住民との交流会・山の案内人・観光との連携
地域に根差した「新しい林業ライフ」のモデル化
ただ「働く」だけでなく、「暮らす・生きる林業」の価値が求められています。
森林を育て、守り、つなぐのは「人の手」です。
しかしその手が足りなければ、
✅ 森は放置され、
✅ 災害リスクが高まり、
✅ 森林資源が活かされず、
✅ 地域も衰退していく。
逆に言えば、「人が戻れば森も地域も再生する」とも言えるのです。
林業の未来は、決して暗くありません。
多様な人材が関わり、働きやすく、やりがいのある仕事へと変えるチャンスが、今まさに訪れています。
弊社、竜林業では一緒に森林を守る仲間を募集しています!
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